この１ヶ月ほど新しいお店を作っていて、慌ただしい日々を送っていました。

本当はもっと素早く手際よく店舗を作り上げることも出来たんですが、前を通る人や差し込む陽の光を確認しながら内装決めたりしたかったのです。それと少しでも自分の手で店を作りたかったので、壁の色を塗ったりパテ埋めしたり照明器具を付けたりしていました。

これには理由があって、15年ほど前に帽子とサングラスをコンセプトにした店を鎌倉の由比ヶ浜通りに作りました。今までの人生で一番忙しかった頃で、もう少し違うのんびりとした店をやりたくて作りました。結果、現実は全然そうなってくれませんでした。
知人の手を借りて良い雰囲気の店舗を作りあげたのですが、色々あって6年ほどで閉店しました。自分の仕事人生の中で、一番大きな挫折だったかもしれません。

それから幾度も新点の出店を考えましたが、この一件が自分の中で効いていて店を新しく出すことが出来ませんでした。そしてそれから沢山考えて、店を出すよりもGROOVERやXAZTLANという愛すべきブランドを作ることを優先してきました。
ようやく店を出す決心が付いたからだこそ、自分の手で何か少しでもやりたかったのです。

スピリチュアルチックかもしれませんが、そういうものに何かが宿ると思っています。もっと言うと宿って欲しい。
自分自身が大切な場所だと思うためにも必要な作業でした。

Designer M.NAKAJIMA