October.30.2022
WALSERWALD
先日の-GROOVER EXHIBITION2022-でお披露目した"WALSERWALD"。同時にお披露目となった二本羽シリーズの"RYDEN"とは、対極にあるデザインシリーズです。BEYOND THE GROOVERの1モデルとしてデザインをスタートさせましたが、GYARDのクラフトマンの造形の限界にチャレンジするモデルとしてポジショニングを変更しました。
WALSERWALDのような造形は本来、金型成形の軽量プラスチック素材で作られることが多いと思います。しかし90年代のまだ日本のメガネ生産が華やかな頃、無謀にもアセテート素材でこういった造形がハンドメイドで作られていました。WALSERWALDほど面の多い造形ではありませんが、今では失われてしまった技術と言えます。
GYARDは伝統的と言っては良く言い過ぎですが、技術伝承の為にオーセンテックな技法にこだわって生産しています。こういった複雑なデザインは、最新鋭の高性能カッティングマシーンでやれば簡単だろうという方がいらっしゃいます。では作ってみては?と言ってもこの雰囲気には仕上がりません。おおよそプラスチックの塊から削り出した"モノ"となり、その出来栄えは多くの方に違いが分かるものとなるでしょう。このようなデザインを生み出せるブランドは、日本にはありません。
GYARDの限界値を探ったようなWALSERWALDですが、まだまだ余力がありそうで頼もしい限りです。
Designer M.NAKAJIMA