Archive for 10月, 2022

  • walseweld

    October.30.2022

    WALSERWALD

    先日の-GROOVER EXHIBITION2022-でお披露目した”WALSERWALD”。同時にお披露目となった二本羽シリーズの”RYDEN”とは、対極にあるデザインシリーズです。BEYOND THE GROOVERの1モデルとしてデザインをスタートさせましたが、GYARDのクラフトマンの造形の限界にチャレンジするモデルとしてポジショニングを変更しました。

    WALSERWALDのような造形は本来、金型成形の軽量プラスチック素材で作られることが多いと思います。しかし90年代のまだ日本のメガネ生産が華やかな頃、無謀にもアセテート素材でこういった造形がハンドメイドで作られていました。WALSERWALDほど面の多い造形ではありませんが、今では失われてしまった技術と言えます。

    GYARDは伝統的と言っては良く言い過ぎですが、技術伝承の為にオーセンテックな技法にこだわって生産しています。こういった複雑なデザインは、最新鋭の高性能カッティングマシーンでやれば簡単だろうという方がいらっしゃいます。では作ってみては?と言ってもこの雰囲気には仕上がりません。おおよそプラスチックの塊から削り出した”モノ”となり、その出来栄えは多くの方に違いが分かるものとなるでしょう。このようなデザインを生み出せるブランドは、日本にはありません。

    GYARDの限界値を探ったようなWALSERWALDですが、まだまだ余力がありそうで頼もしい限りです。

    Designer M.NAKAJIMA

  • ryden3

    October.16.2022

    RYDEN Tameemon

    10月18.19日にGROOVER EXHIVISION 2022FWを開催することになりました。当初は小規模な展示会にするか、開催をしないと考えていました。日本の入国制限や各国の渡航制限が一気に緩み、世界中の代理店やディーラーが多く来日する事となり慌てて準備しています。約3年振りの来日になることから、皆さん意気揚々と日本行きを楽しみにされているようです。今の円安はクレイジーなほど割安感を感じるようで「MASATAKA!なんでこんなにホテルが安いんだ!」と言っていました。

    GROOVERは今シーズンもニューモデルを作っています。Instagramでも先行してご紹介しています[RYDEN]がその一つであります。[FOKKER]と[JUNKERS]との兄弟モデルでして、二本羽を採用しております。二本羽のシリーズはGROOVERらしいアウトラインで少し細身のシェイプであるというコンセプトのシリーズです。出来上がってみると思いの外[FOKKER]と[JUNKERS]は”細く”なかったわけですが、[RYDEN]もまたひとクセあるレンズシェイプになっていました。

    そして前回のジャーナルでも存在を匂わせていた”Xモデル”。私の手元に今あるんですが、これは強烈です。恐らく誰も見たことがないデザインとなってると思います。”誰も見たことがない”ってことは、セールスなどを考えますと決して良いことではありません。デザイナーの自己満足とも思われるかも知れませんが、私はデザイナーとしての限界突破値みたいのものをお見せすることも重要だと考えています。

    なかなか新しいデザインがアイウェアブランドから出てこなってきている昨今、GROOVERは熟練のクラフトマンシップを無駄に消費していると言われてもやり続けたいと考えています。これをするために自社工場を設立したと言っても過言ではないので。

    Designer M.NAKAJIMA