FOKKER & JUNKERS

  • August.10.2022

    FOKKER & JUNKERS

    盛夏の折ですが新作を発表しました。[FOKKER]と[JUNKERS]と言います。
    BEYOND THE GROOVERのデザインを終えた後、かなり奇抜なモデルをデザインしました。手仕事でアセテートのカッティングの限界にチャレンジしたモデルです。絵に描いた餅は想像通り苦戦はしましたが、今後どこかのタイミングでリリース出来そうです。GROOVERはデザインした順番通りリリースされない事が多くあります。これは前述の通りで製造方法や構造計算などの作業に時間が掛かる為、デザインを終えて最終仕様が決まってから2年を要するモデルもあります。

    その未だ見ぬ"Xモデル"の後に、GROOVERらしいアウトラインとフォルムを残しながら少しスタイリッシュなモデルをデザインしたくなりました。そして出来上がったモデルが[FOKKER]と[JUNKERS]です。

    GROOVERの多くのモデルには三本羽の飾りを付けていますが、今回の新シリーズには二本羽を新しくデザインしました。モデル名を見てピンと来た方はもうお分かりですね。これまでの三本羽は自然や自然現象、動物をイメージしながらデザインをしていました。しかし新シリーズはデザインされた人工物からインスパイアを受けています。全体のアウトラインはケーススタディハウスの"モダンデザイン"にヒントを得ました。デザイン全体を整えていく上で、やはり二本羽のこのデザインでなければシックリ来ませんでした。

    GROOVERにはボストンシェイプのラインナップがほとんどありませんでした。ボストンシェイプの全盛期であったと言っても過言では無いであろうこの10年間で、「ボストンシェイプが無い!」っていうのはなかなかチャレンジングです。BEYOND THE GROOVERにTIFFANYというモデルがあるのですが、恐らく私自身が初めてデザインしたボストンシェイプです。かれこれGROOVERをデザインし始めてから15年以上も経っているのですが、TIFFANYが初めてのボストンデザインです。[FOKKER]はもっとスタンダードなボストンシェイプにしようとも考えたのですが、それが出来ないのがGROOVERです。FOKKER社の飛行機を見ていたら、やっぱりクセのあるアウトラインになってしまいました。当初の構想では"細身で"と考えていたんですが、全然細いデザインではなくなってしまいました。

    自身でデザインした掛けたいメガネが沢山ある事は、とても幸せであるのです。

    Designer M.NAKAJIMA